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ハードワーカー要注意 うつの話

日本の自殺者は1998年から急上昇 警察庁が発表している資料によると日本人の自殺数は1998年(平成10年)にグンと上がっていることがわかります。1998年のできごとをWikipediaで見てみると、2月に長野オリンピックが開幕して、6月にワールドカップフランス大会(日本代表が初めてW杯に出場)があり、エルニーニョ現象により世界の平均気温が観測史上NO.1という記録的高温になった、という年でした。暑かったことを除けば、パンデミックや大恐慌、大地震、大戦争など特別に悪いことは起きていません。因みに直近ではコロナが流行し始めた2020年には前年から約1000人の自殺増加がありましたが、1998年においては前年から8500人も増加しています。極めて異常な現象と言えますが、この時、なにが起きたのでしょうか?

まさかの抗うつ剤の副作用か? 1997年頃から臨床試験が活発化し、問題の1998年を経て、翌1989年に発売された抗うつ剤があります。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)という薬なのですが、これが影響しているのではないかと考えられるのだそうです。時系列的には発売年の前年に激増していることから、ちょっと無理があるのではないかとも思うのですが、実際、SSRIの使用による小児、青少年の自殺増加や攻撃性の悪化に関わっていることは論文も発表されています。また、パキシルというSSRI製剤に関して「自殺企図」のリスクが高まるとする試験成績が隠蔽されていたことが発覚して2004年にはニューヨーク州が提訴するに至っています。因みにパキシルは1997年の全日空機ハイジャック事件の被告に処方されていて、犯行時の精神状態に影響していたという鑑定もなされています。 このように考えると、時系列的な疑問は残りながらもSSRIが何か影響しているような感じもしてきます。

抗うつ剤市場拡大、うつ病患者増加、の謎 抗うつ剤の市場規模は1997年には約150億円。そこからほぼ右肩上がりに5年後の2002年には500億円。2007年は870億円、2010年には1100億円と拡大しています。一方、うつ病患者数はというと2002年に約71万人、2008年に100万人を超え、2017年は約128万人と増え続けています。これだけを見ると、抗うつ剤って効かないんじゃないの?というかんじがしてきますよね。うつ病患者が増えた原因としては様々なものが考えられますが、「以前にはうつ病と診断されなかった人が、うつ病と認められるようになった」ことは大きいでしょう。だとしたら、ですね、「以前には診断されなかったような軽いうつ病患者に、副作用のリスクがある抗うつ剤を投与している」ということになります。 これは大きな問題だと思うのですね。 うつな話で恐縮ですが、次回に続きます。



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