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放射線がDNDを傷つける
まず、放射線がどのように怖いかというと、我々の身体を構成している物質の原子から電子をはじき出すというのがスタートになります。電子をはじき出された原子は化学的に非常に不安定なので、どのような反応をするかわからず、中にはメチャクチャな反応をしてしまう原子も現れます。さらにはじき出された電子もでたらめに飛び回り周囲の分子を傷つけます。このようなことが我々の細胞内で発生することで、細胞核にあるDNAが傷つき細胞が死んでしまったり、死なないまでもガン化するなどの障害が生じます。これが、放射線要害と呼ばれるものです。
三朝温泉のガン死亡率は全国平均の半分以下
一方、ラジウム温泉の効果で数値化されているものでは、1992年の岡山病院三朝医療センターの調査が有名です。三朝温泉の住民を温泉地域と周辺農地地域とに分け、それぞれの36年間にわたるガン死亡率を計測し、全国平均と比較するという調査です。その結果、全国平均に対して、温泉地域住民のガン死亡率は男性でマイナス46%、女性でマイナス54%と半分程度にとどまり、周辺農地地域では男性マイナス15%、女性マイナス23%となっていることがわかりました。この調査によって、ラジウム温泉はガン予防に効くと言われるようになりました。
とはいえ、これだけではラジウムが効いているのか、温泉が効いているのか、三朝温泉特有なのかなど、区別がつかない点があるのですが、そこに決着をつけるような全国規模の調査は行われていないようです。ともあれ、こうした調査が行われたことで、ラジウムが効いているという仮説のもと、メカニズムの検証が行われています。
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