食事をするのではない
体調不良の時に必要なのは「食事」ではなく「栄養補給」です。上の相談されてきた方は一日3食の食事パターンにこだわりがあるのですが、そもそも、それって健康を保つためのこだわりですよね?と。いまは健康でないのだから、とりあえずそのこだわりいらなくないですか?とお話ししました。
病気で体力が落ちている時に必要な栄養は主に糖質とビタミンです。今でもブドウ糖の注射や点滴があると思いますが、まさにこれ。食欲がないときは消化器系がイヤイヤをしているので、ベストはこのように血管に直接栄養を注入することになります。完全に「食事」ではないわけです。これに準じて家庭でできることはゼリー飲料になるでしょう。カロリーとビタミンが摂取できるものを選べばよいと思います。
食べないと薬が飲めない?
食後に飲む薬がありますよね。だから何か食べないといけない、と思う方も少なくないようですが、胃液が出ればよいので「食事」をしなくても大丈夫です。ゼリー飲料だけで不安でしたらお米やパンなどを、ほんの一口食べたら十分です。できれば胃壁を保護する胃薬も併せて処方してもらうとベストですね。
不調時にも自然食品にこだわるかなあ?
健康業界にいるので、周りには食にこだわる方がたくさんいます。野菜は無農薬しか食べない、加工肉はダメ、乳製品は一切口にしないなど。それ自体は身体に合った健康法として悪くはないと思うのですが、得てしてこういう方はゼリー飲料などを嫌がるんですよね。
食事パターンのところでも書きましたが、そのこだわりは健康を保つためでしょう?健康を損なっている時、とりわけ消化器系が弱っていて、しかもそれが数日続いて栄養が必要な時、人工的であってもゼリーやサプリメントでカバーするのはむしろ良いことだと、私は考えています。1~2日なら水分だけ摂っておとなしくしているのも有効な手段だとは思いますが、それ以上は危険です。そんな時まで自然食品などにこだわるのはよくないよなあ、と思っています。
結局のところ、身体の要求に従うのが良いのではないでしょうか?食べたくないときは食べない。それでも栄養が必要なら飲み込めるもので摂取する。その時は非常事態なので、普段のこだわりは一旦置いておく、そんなお話をさせていただきました。因みに冒頭のインフルにかかった方はゼリー飲料とサプリメントで食欲不振の時期を無事に乗り切ったそうです。
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